シングル物件のメリットとデメリット
常に満室の状態を維持し、家賃の下落を招かない品質管理ができれば、アパート経営は成功する。つまり借り手が多い市場、「シングル物件」が狙い目なのである。
増え続けるシングル派。
未婚率の増加や単身赴任者の増加、大学の都心回帰による学生の増加などターゲットであるシングル層は増えている。なのに逆にシングル物件の供給は減少傾向にある。今、都心部で空室となっているのは、ファミリー向け物件が多いことからもシングル人気はうかがえる。
シングルが好むのは駅近で、スーパーやコンビニなどの利便施設が揃っていること。ファミリー層と比べると自由になるお金が多いことから、気に入った物件であれば高い家賃も惜しみなく払う。まずは駅近など立地を選ぶことが成功への鍵となる。
収益性が高く、リフォーム費用は安くてすむ。
シングル物件の魅力は収益性の高さだ。床面積あたりの家賃がファミリータイプに比べ高くなるため、入居中の収益が上がる。
たとえば30㎡の広さの家賃が6万円だとする。同じ立地で広さが倍の60㎡になったからといって、家賃は倍の12万円はとれない。逆にリフォーム費用は単純に広さに比例するため、倍になる。シングルの収益性の高さがわかるだろう。
デメリットを補うにはパートナー選びが重要に。
シングル物件のデメリットはというと、身軽な独身者であるため入居と退去が頻繁であることか。シングルの入居は2年が平均だという。12戸を所有しているとすると、2カ月に1度は退去が出て、そのたびにリフォームの手配をしたり入居募集をかけたりとオーナーの仕事が煩雑になる。
そうしたことを細かにサポートしてくれるパートナーに管理運営を任せることが、本職の仕事と副業を両立させるためには大切だ。
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ファミリー物件のメリットとデメリット
家賃並みの支払いでマイホームが買えるため、ファミリー市場のターゲットはどんどん減少している。空室が目立つのは、このファミリー物件なのだ。
長期入居のメリットも、空室率の高さで帳消しに。
ファミリー物件は居住期間が長いから、シングル物件よりいいという人がいる。本当にそうだろうか。たしかにファミリー層は子どもの学校のことや引っ越しがタイヘンなことから、頻繁に転居はしない。しかし賃料並みの支払いでマイホームが買えることから、借り手がどんどん減って来ているのが実状だ。
ファミリーに限ると供給が需要を上回り、空室率が高い。当然、賃料も下がり気味と、これから打って出るにはおもしろみのない市場であるといえる。
条件の多さが、空室率の長期化につながる。
一度空室が出ると、なかなか埋まらないのもファミリー物件の特長。駅近など需要の高い立地がわかりやすいシングルに比べると、ファミリーが求める条件は複雑だ。静かな環境や陽当たり、校区である小学校の評判・・・。入居が決まるまでにも時間がかかり、必然的に空室期間が長くなることにつながり、その期間の家賃収入がとだえてしまうことになる。アパート経営はシングル物件を多く企画すれば、それだけ空室リスクの分散にもなるのだ。
かさむリフォーム費用が収益を圧迫する。
リフォーム費用は単純に広さに比例する。つまり60㎡のファミリー物件は30㎡のシングル物件の倍のリフォーム費用がかかる。広さが倍だからといって、倍の家賃がとれるわけではない。収益の面から考えれば、圧倒的にシングル物件に軍配が上がる。
不動産投資である以上、一番重要なのは収益性である。シングル物件かファミリー物件か、その答えは明白である。